2016/8/18オリンピック宴たけなわ、これでは戦争は無理地図作成
オリンピック宴たけなわ、レスリングでは同時に三つの金を取って日本国中が浮かれているさなか、ここ数日、船長はひとつの地図作りに余念がなかった。
ご承知のように今月3日午前7時53分ごろ、北朝鮮は南西部の黄海南道付近から弾道ミサイルを日本海に向けて発射し、この中距離弾道ミサイル「ノドン」と推定されるミサイルは約1千キロ飛行し、秋田県男鹿半島沖の西約250キロメートルの日本の排他的経済水域内に落下した。
このきわめて大がかりな中距離弾道ミサイルの発射を自衛隊が確認追尾出来なかったという事実は大変ショック(なぜこの事の重大さをマスコミは取り上げないのか不思議)な出来事だったが、それよりも私の頭に???マークが充満したのは各マスコミ、そして識者のコメントも”秋田沖に着弾”という風に着弾地点のもっとも近い”秋田”の連呼ばかりだったからである。
いまだにネットなどを検索しても私の知る限りこの観測は変わらない。
だが私個人はこのミサイルの弾道と着弾の地図を見たとき、とっさにこのミサイルはアメリカ軍が核を配備しているとの噂がある三沢基地に照準を当てたものと直感した。
というより直感なぞと大げさな言いまわしをするまでもなく、件の弾道を見ればその先に三沢基地があることなど明々白々なわけだが、???マークが踊るのは本当に薄らボンヤリして気づいていないのか、あるいは口を閉ざしているのかなぜか誰の口からも三沢の言葉が出てこないからである。
だが事態はここに止まっているわけではない。
三沢基地のすぐ北には全世界の核施設でもっとも危険とされる「六カ所村核再処理工場」があるのだ。
ご承知のようにこの六カ所村核再処理工場になんらかの事故が起これば福島第一原発の事故なぞひよっこみたいなもので日本国全体に死の灰が降ると言われている(であるがゆえに軍事機が頻繁に飛び交う三沢基地の航空機事故が懸念されてもいる)。
青森県の危険性はそれに止まらない。
六カ所村核再処理工場の北には東通原発が控え、さらにその北のむつ市には核燃料中間貯蔵施設があり、さらにその東にはあの有名な大間原発が控える。
つまり要するにこのノドンとおぼしきミサイルの射程内の青森は日本でもっとも核災害の危険に曝されている核の一大倉庫なのである。
というわけでみなさんがオリンピックで浮かれている最中船長はまったく机上の空論でもない将来の放射能危機を念頭にシコシコと今回のミサイル地図を描いていたわけだ。
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この地図を見れば北朝鮮がなぜあらぬ方向に向けてミサイルを放ったのか一目瞭然である。
自衛隊も補足追尾出来ない。
どこに向かって飛んで行ってるかもわからない。
こんな簡単な想像力もないマスメディア(あるいは自主的に箝口令を引いているのか)およびノーテンキな世論を見るに日本は戦争をしても必ずや負けるだろう。
私はかつて25年前に読売新聞に「平和ボケ」という言葉を書いてそれは今や戦後日本人のメンタリティの代名詞となっているが、とりあえずオリンピックボケはなるべく早く解消して正気に戻っていただきたい。
日本は広島長崎の原爆に続き、第五福竜丸事故、福島第一原発の事故に曝された世界でも希有な核被爆国である。
これを宿命とは言いたくないが、今回のミサイルの件、オリンピックに浮かれるのも悪いとは言わないが、私たちは世情に浮かれるあまり福島第一原発の事故の教訓と放射能に対する備えを忘れてはならないという警告と受けとめたい。